母の日イメージ

アルバイト代で買った母の日のスカーフ

毎年毎年母の日は何を贈ろうか迷ってしまう。
予算を青天井というわけにはいかないが、あまりにも安っぽいものも60を超した母には合わないだろう。
日常品で持っていなくて困るというものはもうほとんどないので、いくつあっても困らない場所をとらないものにしようと考えると、結局いつもスカーフやストール、日常でカジュアルに持てるハンドバッグなどに行きつく。
一番初めに母の日にスカーフを贈ったのは大学生の頃だった。
それまで高校でもアルバイトは禁止されていたので大した贈り物はできなかったのだが、やっと自分の自由になるお金を少しずつ持てるようになった。
そうはいっても学生のアルバイト料などたかが知れているが、母が外に身に着けても恥ずかしくないような物を候補として考えることができることがうれしかった。
母はたとえ好みじゃないものやとても使えないような安物であっても、子供からもらったものはうれしそうに受け取ってくれる。
実際、うれしいんだと思う。
だが悩みながらその品物を選んだ側からすると、もらったことを単純に喜ぶだけでなく、できれば喜んで使ってもらいたいと思っていた。
大人になった今となれば彼女の好みもある程度わかるし、年齢的に身に着けるものが自分とは異なっていることも理解しているが、子供のころはわからずに子供の感性で(しかもお小遣いの範囲で買える安物で)選んだものを母があまり身に着けてくれないことが少し不満だった。
(今思えばとても大人が外に着けていけないようなキラキラしたバレッタなどだった)アルバイト禁止の高校を卒業し、堂々と働けるようになって初めて母が本当に喜んで使ってもらえるものを自分のお金で買えることがうれしくて、張り切って百貨店に足を運んだ。
母がどんなものが好きか、家の中のタンスをこっそりチェックして好みの色合いやすでに持っているようなデザインの物を覚えておき、持っているスカーフとあまり重複しない感じで、かつ母が好きそうな色味とデザインのものを探した。
また、一緒に合わせるだろうジャケットなどとの組み合わせも頭の中で思い出し、コーディネートを思い浮かべながら何十分も迷い、一度出直して別の日に行き直したりして大体2週間ほどそのことで頭がいっぱいだった。
百貨店の物価の高さにも驚いたが、以前母が百貨店で買ったストールを「やっぱり百貨店は質が良くて長持ちする」と言って愛用していたのを思い出し、気に入って長く使ってほしかった私は百貨店で買うことにこだわっていた。
最終的にベージュをメインカラーにした落ち着いたイメージのペイズリー柄のスカーフにした。
どきどきしながら母に渡すと、目を丸くして驚いていたがとても喜んでくれた。
柄を見た母がポロッと「こういう柄が好きや、よく似たの持ってるし」と言ったので似たのがあったのか・・・と内心自分のリサーチ不足にがっかりしたが、好きなだけあって外出するときはうれしそうに今でも身に着けてくれる。
ふざけて「いいスカーフですね」と言うと、満面の笑顔で「いいでしょう、うちの娘がくれたんです」と返してくるというのがそれからの私たちのお気に入りの遊びになっている。

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